以前、IO-DATA社製のLANDISK HDL-Aの調子が悪いことから、HDDSATAケーブルを用いてデータ復旧作業を行ったのですが、その後調子が悪くなってきましたので、再度復旧作業を行いました。
障害状況
エラーランプが点灯し、何度か確認していたところボリュームがアンマウントされるなど、状況が悪化してきました。
本格的にHDDが故障し始めているようです。
今考えると、前回の症状の時点でHDD自体をあきらめてしまった方が良かったのかもしれません。
対応方法
新しい、NASを購入しようかとも思いましたが、私のNASに求める要件は、
- ネットワーク経由でファイルが保管できればいい。
- 定期的に自動バックアップを他HDDに取得。(RAID構成は不要)
- データサイズは2TBあればじゅうぶん。
条件はこれくらいですので、一般的な製品のエントリーモデルで十分なことがわかります。
こうなると、ほぼ同じような製品の購入になってしまいます。
同じランクの機種の場合、面白味もなく、また故障しやすいイメージができてしまったので、同じランクの機種は避けたいと思うようになりました。
また、故障しているのは症状から内蔵HDDのデータ部の領域の可能性が高いです。
そこで、今回は、内蔵HDDだけを交換することにしました。
ちなみに購入する場合のNASとして候補にあげていたのは、以下の製品です。
HDDの選定
HDL-A2.0に内蔵されているディスクは、Seagate社製でした。
今回交換するHDDですが、WesternDigital社製にすることにしました。
ネットでは、評判はいいかと思います。
WesternDigital社のHDDは、用途によって分類されています。
主に、デスクトッップで使用されることを想定した、Blue、Black、
NASで使用することを想定して設計されたRedシリーズがあります。
もちろん、Blueシリーズへの換装も可能なのですが、高い信頼性と、環境を選ばないNAS向けHDDのRedシリーズを選択しました。若干割高にはなりますが、大きな差ではありません。
HDDクローン作成
HDL-Aは、OSとデータが同じ内蔵ディスクに格納されています。
そこで、現在のHDDをそのまままるごと新しいHDDにコピーし、復旧したいと思います。
ただ、ここで問題となるのは元のHDDに不良があることが想定される点です。
そこで、今回元のディスクにセクタ不良があっても、エラースキップしてコピーしてくれる製品を採用しました。
MARSHAL クローンHDDスタンド
MARSHAL社製のHDDスタンドです。クローン化だけではなく、PCにUSB接続してHDDを外付けディスクとして利用することも可能です。
クローン化作業だけであれば、PCは不要で、HDDを2本さして、コピーボタンを押すだけという手軽さです。
エラースキップ機能がついているのがポイントで、この機能がついていないクローン装置の場合は、コピー元でエラーが見つかった場合はクローンが作成できません。
このスキップ機能はかなり有効で、Amazonでのレビュー評価も高く、良いコメントがされています。
クローン開始
- HDDをスタンドに2本差す。(コピー元、コピー先だけは間違えないように)
- コピーボタンを押す。
たったこれだけです。
進捗率は、LEDランプで25%,50%,75%,100%とわかるようになっています。
・・・
進捗率が75%を超えたとこえろで2つ目のLEDが赤色点灯しました。
これはコピー元で不良セクタがあったことを示しています。
でも、エラースキップ機能が搭載されていますので、コピーが続けられます。
しばらくして(といっても2TBですので、4時間以上(^^)/)、完了しました。
・・・
3つ目のLEDが赤色点灯しています。
これは、コピー先に不良セクタがあったことを示すようです。。
新品なのに。
クローン化失敗かと思いましたが、ディスクの内容を確認してみます。
KNOPPIXからgpeartedで確認しました。
お、領域としては正しくできています。サイズもクローンなのであたりまえですが、ぴったり同じです。
ただ、コンソール画面には、「the backup GPT table is corrupt,but the primary appears OK,so that will be used.」というメッセージが出力されています。操作をするたびに出力されます。
これは、「バックアップGPTテーブルは壊れています。が、プライマリGPTテーブルは正常なので、そちらを使っています。」という意味ですね。
パーティションテーブルの複製がバックアップGPTテーブルなのですが、その内容が壊れてしまっているようです。
バックアップGPTテーブルはディスクの最後に格納されるので、最後の最後で書き込み時に失敗したのかもしれません。
復旧作業としては、プライマリGPTテーブルの内容をバックアップGPTテーブルにコピーしてもいいかと思いますが、gpartedで領域変更作業を行うことで、バックアップGPTが正常に書き込まれるのではないかと思いました。
サイズが変更可能なのは、NASのOSが入った一番目の領域だけでした。その領域を一旦少しだけ縮小し、再度拡大しました。
すると、先ほどまで出ていたエラーメッセージは無事出力されなくなりました。
この後、WD社のチェックツール(western digital data lifeguard diagnostics)を用いてディスクのチェックを行いました。
QICK TEST、EXTENDED TESTともに正常(PASS)でした。
新しいHDDはハードウェア的には問題なさそうです。
NASの動作確認
HDDをNASに戻し、動作確認をします。
全く問題なく、NASの管理画面が表示されました。
その他の機能も特に問題ないようです。
ただ、やはりデータ領域の不整合の懸念が大きいため、チェックディスクをかけました。すると、1時間たっても終わりません。マニュアルでは、正常なディスクの場合は数分で完了すると書いてあります。
データ領域のデータはあきらめフォーマットすることにしました。
フォーマットを行いその後チェックディスクを行ったところ、数分で終わりました。
この後、別HDDに取っていたバックアップからフォーマットした内蔵ディスクのデータ領域にファイルをコピーし、NASを故障前の状態に戻すことができました。
最後に
今回の作業で使ったクローンHDDスタンドは、HDD復旧作業では欠かせないものになりそうです。
また、クローンスタンドの購入費を考慮しても、NASを新品で買い足すよりもかなり安く復旧することができました。
さらに、内蔵ディスクは高信頼性のものに置き換えることができ、万一の保証も3年間という安心感も手に入れられました。
ご参考になれば幸いです。
注意)分解したNASの方はメーカー保証が適用されなくなりますので、各自でご判断いただけますようお願いします。
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